album "imagination"
imagination(イマジネーション)というアルバム


“imagination” music video

interview 林邦洋


=== メンバーの各曲コメント ===

“imagination”
フランスの作家ジュール・ヴェルヌの「人間は人間が想像できることは必ず実現できる」という言葉を聞いた時から、「imagination」というキーワードが胸に宿り続けていました。「夢を持つ」とか「個性的である」ということでは無く、「良き想像の連鎖」が、良き自分やそれを取り巻く事態を作れるのかもしれないということを、「想像力」というものを、想像する力、を想像したいと。そして以前から、春先~初夏にかけての、特に「4月」という、始まりの季節が持つ特有の、生命の蠢き、胎動、予感、可能性などをテーマに曲を作りたいと思っていました。一曲で3分台から4分台、コンパクトな中に組曲的要素を取り入れたかった。イントロからAメロはミニマルミュージックへの憧憬。性急なBメロ(歌詞「最小公倍数~」のくだり)は都心の朝の喧噪のイメージ。サビのビートをハーフタイムにして、「それぞれ」の「これから」に「広がっていく」感じです。(邦洋)

ピクチャーズの音楽を知っている人たちはこの曲、驚いたんじゃないかな。出だしはいつもの邦洋ギターカッティングだけどその後から始まるシンセサウンド。僕たち的には方向性を変えたとかではなく、こういう曲ができてきたからこういう表現をしたというだけのことです。ライブではもちろんバンドで演奏するのでまた違ったイメージになります。イントロのテーマのメロディ、どこかで聞いたような音ではないですか?あれはgameboyの音です。gameboyの内部音源を使って音楽を作るというマニアックなソフトがあるのです。実際はDS liteで鳴らしましたが。ファミコン時代からニンテンドーのゲーム機には触ってきたけど、Wiiが発表されて以来僕はニンテンドーの大ファンになってしまったのです。イノベーティブな部分で。Wii U楽しみです。まったく蛇足です。(きっかわ)


“明日が聴こえる”
前向きになろう。
色々あるけど…。
明日また頑張ろう。
見たことない自分や、新しい気持ちに会いに行こう。
思い続けよう。
願い続けよう。
耳を澄まして明日を聴こう。
(秀紀)

現時点でピクチャーズの楽曲の中で最もドラマチックな曲じゃないでしょうか。ほぼライヴのままのアレンジ。バンドで作った音がとても良かったから。(きっかわ)


“風に吹かれて”
僕らは「今」を見つめる、そして「今」だけでは見えないものもある。その先にある、まだ見ぬ「何か」も、「今」の延長線上にあるのだと思う。だからこそ僕らは進む、全てはまだまだ始まったばかりなんだと。そういう気持ちを持ち続け、忘れないようにしたくてこの曲を書きました。イントロど頭で聴かれるアコギのフレーズが一番先に出来てから、サビのメロディがなかなか出来ず時間がかかりました。一変メロディ全体が決まった瞬間、一気に、歌詞がこぼれるように、溢れるように出てきました。(秀紀)

アメリカンフォークの匂いがそうさせたのか、自然とボトルネックを持ってスライドギターを弾きました。この曲ができたときはピクチャーズ異色のメロウナンバーでした。が、今となっては、このアルバムを聞いてもらえばわかりますが様々なタイプの曲たちが飛び出してきたのでこの曲の異色度は普通にアリなんじゃないのレベルになりました。イントロのギターのメロディにハープシコードが重なっているの気付きましたか?そう、キャンディキャンディのイメージです。つっても若い人は知らないのかな?(きっかわ)


“cold rain”
2月の、雨と雪が入り交じる午後に、新宿西口で直面した一人のホームレスの凍死体。黙々と仕事をこなす鑑識班、それに見向きもしない人たち。そしていつか見た岸田劉生の絵「道路と土手と塀」の先には、都庁がありました。断片的な心象スケッチで、実際と空想と自問自答の交差の中を歩いた新宿には、実に冷たい雨が、静かに降っていました。その冷たい世界は実はあたたかな世界であり、赦された世界であり、吐く息の白さは完璧に立体化して、何度も僕の前に現れました。ほとんど無音の世界でした。(僕なりの、狭義での)「新宿」という巨怪、喧噪を、力ずくではなく、命の雫で鎮めているように思えたのです。この時の雨粒は、「涙」のメタファーではなく、「これからの生命への導き(命の源)」の喩えに思えたのです。雨の粒を「ダイヤモンド」と形容しているのは、宮沢賢治の著作「十力の金剛石」の猿真似です。次の日僕は風邪をひきました。(邦洋)

ダイヤモンドという歌詞からPrinceのDiamons and Pearlsを連想しました。僕はニンテンドーを愛するよりもだいぶん前からプリンスを敬愛しています。この曲ではソロ的なギターをたくさん弾きました。僕はアドリブをあまりやらないし好まないのだけど、この曲はなぜかライブでもフレーズをかっちり決めずにそのときの気分で弾いています。(きっかわ)


“smile again”
単純明快な、いわば能天気な、特に自分自身への、ひとつ応援歌をと。ある日古着屋の店内に流れてきた、鳥肌ものの曲がありました。「この声は、この音は、まず間違いなくパールジャムだよな?」と。でも「聴いたこと無い曲だな、彼らの新譜かな?」と。英語のリスニングが苦手な僕ですが、多分こんな歌詞かな?と検索したら、やっぱりパールジャムの新曲だった、ということがありました。ま、予習不足なだけなんですけどね。その、「古着屋で」っていうのも大きな要素だし、こう、なんていうか、好きな曲やバンドとの「出会い」のシーンって、ギター持った学生時代から何も変わってないし、あの瞬間の気持ちは無くしたくないなと。ブライアン・アダムス的に言わせてもらうと「死ぬまで18歳」みたいな、そんな曲ですかね。(邦洋)

バンドで一発録り。もっとキレイに録ることもできたけど僕らがスタジオで遊んでラジカセに録ってる感じにしてみました。18歳ってことで。ラジカセと言えば秀紀が以前よくリハーサルにラジカセ持ってきて録音してドヤ顔で僕らに聞かせてましたね。いい音だろと。カセットテープ独特の歪みと音圧感ていいですよね。つっても若い人は知らないのかな?(きっかわ)


“コントラスト”
夕方、一瞬だけ訪れる、ツートンカラーな空を見ながら、自分の中で行ったり来たりする気持ち。そこに自分なりの答えを導き出せた時、何だかポッと温かくなって笑えた。そんな瞬間を、心のフレームに閉じ込めたかった。そんな1曲です。(秀紀)

ほとんど音響的な飾り付けをしていません。兄弟二人のギターと歌は一発録り。マイクが拾った部屋の空気の振動そのまま真空パック。(きっかわ)


“透明な月夜”
このアルバムに「月」と言う詞の入った曲が沢山あり「何でですか?」と聞かれたことがあります。僕らはリハーサルを、夜の時間帯にやっていて、高田馬場のスタジオの行き帰りに、何度も綺麗な月を見ました。リハーサルが、最高の時も、上手くいかない時も、全部引っくるめた複雑な感情の中で見る月が、どこか印象深かったんだと思います。この曲が出来た時の、月の透明感、空気の色を、兄弟ツインボーカルの絶妙な混ざり具合で上手く表現出来た晩秋の1曲。(秀紀)

秀紀がこの曲を持ってきた時、秀紀のストイックな歌が曲想に対してちょっと重いな、もう少しふわっとさせたいなと感じたので二人で歌うことになりました。皆さん、どこをどっちが歌ってるかわかりますかね?兄弟やっぱり声が似てるので僕はミックスのとき、あれ?どのチャンネルがどっちだっけ?とこんがらがることしばしば。そして二人の声の絡み合いがいい感じになったのでアレンジはシンプルに。僕がギター弾いたのはエンディングだけです。(きっかわ)


“トーキョーミッドナイト”
親子くらい歳の離れた知人・人生の先輩が居ましてね、トーキョーミッドタウンのことをトーキョーミッドナイトって、本気で間違って覚えてて、治らないんですよ。で、「その言葉もらった!いつか曲のタイトルにしよう!」って思ってたんです。これは、架空とリアルの間の恋歌。さまよえる若き魂。「今を生きる」んだけど、くれぐれも自分を嫌ったり、命を粗末にすることなかれ、と。メロディラインはそのまま、コードだけメジャー進行の、全くの別曲から生まれたもの。リズムも16でハネハネでしたが、作っていくうちにディスコチックに変わり、他パートのメロも歌詞も全く違うものになりました。(邦洋)

もう石村タッチ順ベースありきで作られたような曲ですね。最初は70年代ソウルファンク的なイメージもありましたが最終的には現代的なリズムになりました。僕もクリーントーンでカッティングとかはせず、ファズギターを貫きました。イントロのフレーズ、邦洋君が作ってきたデモに入っていたフレーズなんですが、スタジオで僕がうろ覚えで弾いて「こんな感じだったよね?」「まあ。ちょっと違うけど」「でもこれでいいよね?」「はい」という風に出来上がりました。(きっかわ)


“ジャンプ”
抜け出せ!!
一歩前進!!
嘘じゃない本当の自分に届くまで
諦めずにジャンプっっ!!!
(秀紀)


これもバンド一発録り。18歳モード。僕がその年頃に流行っていた日本のバンドをイメージして中間のソロを弾きました。エンディングはカオスなんで心の赴くままに暴れてます。と言いながらライブでも似たようなプレイをしている。気に入っちゃったんですよ、レコーディングで弾いたフレーズが。(きっかわ)


“上弦の月”
このバンドをやりたいと思って(思い始めて)、曲を作り出した時に、最初に出来たのが「ウェルカム」と、この曲でした。ほぼ全てのパートのメロと、サビの歌詞が出来てから、かなり時間が経ち、かといってその間アイデアを温めるとか、寝かすとかしてた訳じゃなくて、いつもいつも完成を試みては壁にぶつかったり坂から転げ落ちたりでした。それこそ毎日のように。この歌に月も風も、どちらからどのように出ていても良かったのです。いや、違うか。南西(関西・九州)の方角に向かってお辞儀をしている、上を、前を向いている。そんな曲です。(邦洋)

邦洋君のソロ時代の匂い漂う名曲ですね。フォーキーな曲にソウルミュージックなアプローチのアレンジ。アレンジ的には大分僕の趣味に傾いてますね。ミクスチャー?クロスオーバー?フュージョン?ボーダレス?シームレス?脳みそが3つも集まればいろいろ混ざって当たり前なんですよね。(きっかわ)